「私が悪いんだ」と思い続けていた――でも、それは違った。
朝、出社すると感じる微妙な空気。
「また何か言われてるかも」――そんな不安が胸に残る。
陰口、無視、ささいな嫌味。
誰かに話しても「気にしすぎじゃない?」で終わる。
だから、つい自分を責めるようになる。
でも、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の研究では、
こう問いかけています。
「本当に“あなただけの問題”なのか?」

職場の”いじめや悪口”によるメンタルへの影響を軽減するための研究が発表されたんだ!
職場いじめは“見えない暴力”
この研究では、「職場いじめ」「陰口」「無視」「嫌がらせ」など、
一見ささいに見える攻撃行動を「workplace aggression(職場の攻撃性)」として分析。
それらが心や仕事に与える影響は、思った以上に深刻です。
- 不安や怒りだけでなく、無力感や自責感が生まれる
- 「正義感」や「いい人でいたい」という気持ちが逆にダメージを強くする
- 我慢する文化(日本や韓国)では、内面化されてより深く傷つきやすい

良い人ほど、こういった職場でのいじめや陰口の被害にあってしまうんだ!

傷つきやすい人に共通する特徴
368本の研究を総合したレビューによると、職場いじめのダメージを受けやすい人には傾向があります。
- 他人の目や評価に敏感な人
- 仕事に真面目すぎる人、完璧主義の人
- “いい人”でいようと頑張る人
でも、逆に被害を軽減しやすい人もいます。
- 感情コントロールが得意
- 自己肯定感が高い
- 他人との間に心理的な距離を取れる
つまり、「気にしすぎ」じゃなく、「環境と性格のかけ算」でつらくなる人がいるということです。

良い人や素敵な人ばかりつらい思いをするなんて許せないよね!
「悪口」が救いになることもある
論文の実証研究が面白い発見をしています。
上司が理不尽なときに、チームで“悪口”を共有することが、メンタルにプラスに働くというのです。
- 離職率が下がる
- パフォーマンスが上がる
- 共感ベースの“ガス抜き”として機能する
つまり、ただの陰口ではなく、
「あの上司厳しすぎるよね」と共感することが、心を守る方法になりうるのです。

共感って実はストレス発散になっていたりするんだ!
「共感の悪口」は、ただの陰口とは違う
この研究が伝えているのは、「一緒に誰かを傷つけよう」という話ではありません。
大事なのは、“共感ベースのストレス共有”です。
たとえば、こういうことです:
- 「あの上司、やっぱり厳しすぎるよね」と誰かと話して、「あ、自分だけじゃなかったんだ」と安心する
- 「また無視された…」と同僚に打ち明けて、「わかる、それ私もある」と返ってくることで、孤独感がやわらぐ
ここで大事なのは、「共感してくれる相手を選ぶ」こと。
言い返したり、仕返ししたりする必要はありません。
“わかってもらえた”という感覚が、回復のスタートになるんです。

健全にストレスを解消するためには、つらい気持ちや、嫌だった気持ちを共有して共感してくれる人を選ぶ事なんだ!それは悪口ではない!お互いを慰め、癒しているんだ!
今すぐできる3つのこと(具体的提案)
1.記録をつける
── 誰に、何を言われて、どう感じたか。ノートやスマホにメモするだけでも、感情の整理になります。
2.信頼できる人と共有する
── 同僚や、外部の相談窓口(産業医・カウンセラー・公的機関)でもOK。「私だけじゃないかも」と思えることが、回復のきっかけになります。
3.“自分を守る距離”を意識する
── 心の中で「この人の言葉は受け取らない」と決めるのも一つの方法。感情のシャッターを閉じることで、傷を浅くできます。

職場で悪口やいじめの被害にあっても、自分を守るための選択はあるんだ!
最後に
「自分が弱いんだ」と思っている人ほど、本当は強く耐えてきた人です。
でも、ずっと耐え続ける必要なんてありません。
共感できる誰かに話すこと、それだけで心が少し軽くなる。
それは悪口じゃなくて、「あなたを守る言葉」なんです。

大丈夫!あなたに共感してくれる人は必ずいるよ!信頼できる人を一緒に見つけていこう!
出典
Reducing the Harmful Influence of Workplace Aggression: An Integrative Review, a Meta-analysis, and an Empirical Study
著者:Rong Zhong(2023)
掲載:University of British Columbia 博士論文
引用元論文URL
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