「働けないと思っていた」──知的障害×自閉スペクトラムの若者が“就職できた”理由とは?

笑顔で寄り添う若者たちの写真。中央に「働けないと思っていた──知的障害×自閉スペクトラムの若者が“就職できた”理由とは?」というタイトル文字。 障害と多様性の科学

「どうせ働けない」──そんなふうに、自分の可能性を最初から諦めていませんか?

アメリカ・カリフォルニア州で行われたある実証実験では、知的障害と自閉スペクトラムを抱える若者たちが、支援を受けながら実際に社会で働くことに成功しました。その就労率は52%、さらに80%が6ヶ月以上職場に定着。これは、単なる“成功例”ではなく、「支え方次第で、人生は変えられる」という現実の証拠です。

今回は、重度の障害を持ちながらも働くことができた人たちの“理由”を、最新の研究と共に紹介します。

ろん太
ろん太

最新の研究で知的障害を持ってても社会的支援があれば就労できる事が研究で証明されたんだ!

「働くなんて無理」だった人たち

自閉スペクトラム症(ASD)や知的障害のある人たちの多くは、日中活動プログラムや作業所に留まり、一般企業での就労(CIE)にはなかなかつながっていません。アメリカではその割合、わずか14%未満

社会に出るハードルは高く、「働けるわけがない」と思わされてしまう現状があります。

ろん太
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ほとんどの人は作業所留まりなんだ!みんな一般就労ができるわけないって思っているのかもしれない!

“働けた”人たちに共通する支援とは?

そんな中、実際に”21人中11人(52%)”が一般就労を果たしたプログラムがあります。

鍵となったのは、「IPS(Individual Placement and Support)」という支援モデル。精神障害の人の就労支援として世界的に実績のある方法を、発達障害・知的障害のある人に合わせてカスタマイズしたものでした(IPS-AUT)。

ポイントは以下のような点です:

  • 働きたいという本人の意志を出発点にする
  • すぐに就職活動を始める(先延ばしにしない)
  • 就職後も支援を続ける(フォローアップ体制)
  • 家族を巻き込む
  • 支援スタッフがきちんと研修を受ける
ろん太
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本人の働きたいという意思の元、家族を含め周りがサポートできる体制を整えれば
就労に成功する可能性は高まるんだ!

支え方が変われば、人生が動く

この研究では、就労後6ヶ月以上の継続率が80%。途中で離脱した参加者はゼロ。多くの支援機関も、モデルの導入後に支援の質(忠実度)を高めました。

つまり、「できることが少ない」ことよりも、「どう支えるか」の方が大事だったのです。

ろん太
ろん太

サポート次第でできなかった事も出来るようになる可能性はあるんだ!

「支援がある場合とない場合で就労や自己肯定感にどのような違いが出るかを示した図。左は支援がない場合のルートで“日中活動プログラム→就労なし→自己肯定感の低下”。右はIPS支援がある場合のルートで“一般就労→収入・社会参加→自己肯定感の向上”。中央には『支援の有無が未来を分ける』というメッセージ。」
支援がない場合と、IPS支援がある場合。たった一つの違いが、就労の有無や自己肯定感に大きな差を生み出します。

「働きたい」は、誰にとっても自然な感情

この研究が伝えているのは、「障害があっても働ける」ではなく、「誰にでも働きたいという気持ちはある」という当たり前のこと。

その気持ちを周囲がどう受け止め、どう支えるかで、その人の人生の軌道は大きく変わります。

ろん太
ろん太

働く事って実は人生の喜びだったりするんだ!働きたいって気持ちが湧いてくるのは障害があっても同じなんだよ!

“就労できた”のは、才能ではなく「支援」があったから

重度の知的障害や自閉スペクトラム症を持つ人でも、適切な支援があれば、社会の一員として働くことができます。

「知的障害者の就労は難しい」と思われがちな今だからこそ、「支援のあり方」を問い直す時期に来ています。

ろん太
ろん太

今の時代AIの登場によって多くの人間への負担が軽減されつつあるんだ!
それによって支援する側の負担も減って、より良い支援体制を整えることができると思うんだ!

まとめ|「働くこと」は、特別なことじゃない

「知的障害があるから」「自閉症だから」──そんな理由で、「働くなんて無理」と決めつけられてきた人たちがいます。

でも、今回の研究が示したのは、「できる・できない」ではなく「どう支えるか」こそが就労の鍵だということ。
本人の意志を尊重し、家族や地域が一緒に支える。その仕組みさえあれば、働くことは“特別な奇跡”ではなく、ごく当たり前の一歩になります。

もし、今「働ける自信がない」と思っている人がいたら、こう伝えたい。
「あなたが変わらなくてもいい。支援が変われば、あなたの未来は動き出す」と。

ろん太
ろん太

ここまで読んでくれてありがとう!障害があるからって諦める必要はないんだ!
みんなで一緒に多様性の社会を作っていこう!

出典

論文タイトル Solomon, Marjorie et al. A Hybrid Type I Randomized Controlled Trial Protocol for Evaluating the Feasibility, Acceptability, and Work Outcomes of Individualized Placement and Support Adapted for Autistic Adults in the Community. SSRN, 2025.

著者 Marjorie Solomon, Jo Ann Yon-Hernandez, Steve Ruder, Yukari Takarae, Susan R. McGurk, Daniel Joseph Tancredi, Aubyn Stahmer

発行年 2025

出版元 SSRN

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