「頑張ってるのに、信頼されない」
「なんで自分だけ、人間関係がうまくいかないんだろう」
そんなふうに感じることはありませんか?
学生生活でも、職場でも、「信頼される人」が自然とうまくやれているように見える一方で、自分はどうしてもうまく立ち回れない。そんなモヤモヤを抱えている人は少なくありません。
でも、実は“信頼されない”のは、あなたの人柄や性格のせいじゃないかもしれません。
近年の実験心理学や組織行動学の研究から、信頼形成は“コツコツ型の行動”によって築かれることが科学的に明らかになっています。

信頼というのは短期間で形成されるものではないんだ!
今回は信頼形成の過程を研究した論文をもとに”信頼”について深掘りしてみるよ!
信頼は“感情”ではなく“履歴”で決まる
最新のレビュー論文(Schilkeら, 2023)によると、信頼の多くは「感情の好き嫌い」ではなく、「行動の履歴」によって決まるとされています。
この研究では、過去20年以上にわたる200本以上の実験データを分析し、信頼がどう形成されるのかを検証しています。
興味深いのは、「信頼される側(trustee)」の“言動の一貫性”や“小さな約束の履行”が、信頼の積み上げに大きく影響するという点です。
つまり、「いい人っぽく見せること」や「最初の印象」よりも、日々のちょっとした選択──たとえば「遅刻しない」「言ったことを守る」「態度が安定している」──のほうが、信頼構築に強く作用します。

小さな日々の積み重ねが信頼構築に作用するんだ!
どれだけ正しくても、1日2日で信頼なんてされないんだね!
信頼形成の3つの柱:誠実さ・一貫性・予測可能性
論文における実験分析を通して、信頼を築くには以下の3つの条件が特に重要であることがわかっています:
1. 誠実さ(Integrity)
ウソをつかない、ごまかさない。小さな約束を守る。自分の価値観に一貫している。
これは、最も基本的な信頼の土台です。
2. 一貫性(Consistency)
気分や相手によって態度を変えない。毎回同じような振る舞いをする。
人は、あなたの「予測しやすさ」に安心します。
3. 予測可能性(Predictability)
「この人なら、こうするだろうな」と思っていた通りに動くこと。
これは安心感とともに、信頼を長期的に築く力になります。
信頼される人とは、目立つ人ではなく、「期待を裏切らない人」なのです。

信頼と言うのはいかに相手に”安心”できるか、なんだ!
相手の行動が過去の行動から予想しやすいっていう事は信頼出来ている証拠なんだね!

信頼は“コツコツ型”にこそ宿る
もしかしたらあなたは、「うまく話せない」「愛想がない」「要領が悪い」と悩んでいるかもしれません。
でも、科学ははっきりと伝えています。
信頼は、“派手な魅力”よりも、“ふつうの行動をふつうに続けられること”に宿るのです。
少なくとも、信頼の積み上げには近道がありません。
派手なパフォーマンスで信頼を得たように見えても、それが続かないなら、むしろ逆効果になることもあるのです。

目立ったり、派手なパフォーマンスをすることが信頼を生むんじゃない!
一貫性のある行動で人を安心させる事が信頼を生むんだ!
焦らなくていい。「ふつうにちゃんとやる」を続けよう
信頼されたいなら、無理に“いい人”になる必要はありません。
あなたの「ふつう」の中に、信頼のタネはきっとあります。
今日も時間を守った、ちゃんと謝った、人の話をきちんと聞いた──
そんな行動のひとつひとつが、未来の信頼につながっています。
信頼は、一日にしてならず。
だからこそ、焦らず、諦めず、自分のふつうを大切にしましょう。

信頼形成は才能や派手なインパクトじゃない!
コツコツ続けることが人生の成功の近道なんだ!
みんなでコツコツ頑張ろう!
▼「また言われてる…」そう感じたことがあるなら
職場でのいじめや悪口によるメンタルダメージは、決して“気のせい”ではありません。
最新の研究では、そんなストレスに対して「“共感”が心を守る力になる」ことが示されています。
傷ついた心に効く「科学的処方箋」を知りたい方へ。
▶「“また言われてる…”職場いじめがつらいと感じた時に、共感が心を支える科学的根拠とは」
出典情報
タイトル:
A Review of Experimental Research on Organizational Trust
著者:
Oliver Schilke
Andy Powell
Maurice E. Schweitzer
掲載誌:
Journal of Trust Research
巻号とページ:
第13巻 第2号, pp. 102–139
出版年:
2023年
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