「割安な株を買うだけで、本当に儲かるの?」
株式投資を始めたばかりの人にとって、どんな銘柄を選べばいいかは最大の悩み。
そんな中でよく耳にするのが「バリュー投資」という考え方です。
「PERやPBRが低い株は割安だから狙い目」
なんとなく納得できるけど、果たして本当にそれで利益が出るのか?
そんな疑問に対して、バフェットやその師グレアムが実践してきた“バリュー投資”という投資法が、実証研究でも高く評価されていることをご存じですか?
今回は、アメリカの学者が50年分の株データで分析した最新の論文をもとに、バリュー投資が「机上の空論ではない」ことを証明します。

有名な投資家ウォーレン・バフェットや、ベンジャミン・グレアムの”バリュー投資”が実証研究でも高く評価されているんだ!
グレアムとバフェットが信じた「本質価値より安く買う」投資
まず、バリュー投資の考え方を作り上げたのは、ベンジャミン・グレアム。
彼は1930年代に「企業の本質的な価値(資産や利益)に比べて明らかに割安な株を買うべきだ」と説きました。
「本質価値より安い価格で買えば、いずれ株価は戻る」
── グレアム『賢明なる投資家』より
グレアムの弟子こそが、あのウォーレン・バフェット。
彼はその思想を受け継ぎつつ、「割安なだけでなく、質の高いビジネスに長く投資する」スタイルへ進化させました。

バリュー投資は投資家として有名な2人の基礎的な考え方なんだね!
バリュー投資の原点に触れたい方には、ウォーレン・バフェットが「これ以上の投資本は存在しない」と評した名著『賢明なる投資家』がおすすめです。著者ベンジャミン・グレアムが語る“安全域”と“本質価値”の思想は、今も投資家たちの羅針盤となっています。
本当に儲かるの?──50年分の株データで検証した論文
🔬 論文:Jonathan Lewellen(2014)
The Cross-Section of Expected Stock Returns
アメリカの金融学者ジョナサン・ルウェレン氏は、1964〜2013年までの米国株のデータを用いて、「企業の財務特性(PERやB/M比など)から、リターンを予測できるか?」を検証しました。
🔎 結果は驚きの内容:
- PERやPBRなどのバリュー指標を使って予想された“上位10%の株”は、月平均2.4%のリターン
- 一方で、割高と判断された“下位10%”の株は、わずか月0.2%
- その差は月2.2%、年率換算で20%超の差
つまり、「割安な株は将来のリターンが高くなる」傾向がデータで裏付けられたということです。
「グレアムのように“割安かどうか”を見て投資する方法は、今でも通用する」ということが分かった。

割安株は、割高株より圧倒的にリターン率が高かったんだ!
初心者でも使える?バリュー株を見極める3つの指標
では、実際に私たちが銘柄を選ぶとき、どんな数字を見ればよいのでしょうか?
指標 | 意味 | 見るべき目安 |
---|---|---|
PER(株価収益率) | 株価 ÷ 1株あたりの利益 | 10倍以下なら割安の可能性 |
PBR(株価純資産倍率) | 株価 ÷ 1株あたりの純資産 | 1倍以下=資産以下の価格で買える |
ROE(自己資本利益率) | 利益 ÷ 自己資本 | 10〜15%程度が目安。安定感が大事 |
これらは、証券アプリや会社四季報などでも簡単にチェック可能。
初心者でも「割安かどうか」の見極めに使えます。

価値ある優良企業なのに株価が割安になっていたらチャンスだね!
バリュー投資の注意点と付き合い方
ただし、バリュー投資は「安い株を買えばすぐ上がる」という短期手法ではありません。
🧠 企業の“中身”を見ることが大切
→ バフェットは「数字+経営者・ブランド・競争力」を重視して選んでいる
⏳ 結果が出るまでに時間がかかる(年単位で見る)
🛡️ “割安すぎる”株は、業績不安や事業リスクがあることも(=落ちるナイフ注意)

割安になっている株は、なんで割安になっているか明確になると安心だね!
一時的な経済状況で下落しているならチャンスになる可能性が高いかも!
ちなみに
割安なだけじゃなく、「信頼できるか」も大事。
バフェットがずっと実践してきたのは、“企業を見る目”を育てる投資。
その投資哲学については、こちらの記事で詳しく紹介しています👇
「投資とは、“信頼できるもの”をじっくり選ぶこと──ウォーレン・バフェットが実践してきた哲学の正体」
まとめ:数字にも、哲学にも裏付けられた「バリュー投資」
バリュー投資は、「企業の本当の価値より安く買い、成長を待つ」というシンプルな投資法です。
そしてそれは、ただの理論ではなく、
- ベンジャミン・グレアムの教えとして
- ウォーレン・バフェットの実践として
- そして最新の論文データとして
確かな成果と信頼性を持つ“王道”の投資手法なのです。
これから投資を始める方にこそ、「安くて良い株」を見極める視点を、今日から持ってみてはいかがでしょうか?

安く買って高く売る!これはビジネスの真理だよね!みんなも割安株を見極めて有望な株を手に入れよう!
読んでくれてありがとう!
論文情報
Lewellen, J. (2014).
The Cross-Section of Expected Stock Returns.
SSRN 2511246
論文PDFリンク
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