「親を憎んでしまう私へ――“それでも間違ってない”と言える理由」

壁際で泣きながら座る少女とぬいぐるみ。「親を憎んでしまう私へ――“それでも間違ってない”と言える理由」という見出しが重ねられている 家族・育ち・教育

「親を憎む私って、おかしいの…?」という問い

もし今、あなたが「親を憎んでしまう自分」を責めているなら、まず最初に伝えたいことがあります。

それは、あなたのその感情は“おかしい”どころか、むしろ自然で当たり前のことだということです。

親は本来、子どもを愛し、守る存在であるはず。
けれど現実には、「怒鳴られる」「叩かれる」「無視される」…そんな日常の中で、あなたの心はきっと何度も壊れそうになったはずです。
そして今、心の奥から湧き上がる「恨み」「憎しみ」「距離を取りたいという願い」は、あなたが必死に“生き延びよう”としてきた証拠なのです。

ろん太
ろん太

すごくつらいお話だけど、もしあなたが虐待されていたら、あなたが悪いなんてことは絶対にない。一緒にどうすればいいか考えよう。

虐待を受けた子どもに共通する“感情の二重苦”とは

小児保健研究の報告によれば、虐待を受けた子どもには以下のような特徴が多く見られるといいます:

  • 不安感が非常に強い
  • 自分には価値がないと感じる
  • 攻撃的または極端に引きこもる
  • 親との関係に怒りや恐怖が混在している【出典1】

これは単に“傷ついた”というだけではありません。
心の中で「大切にされたかった」という願いと、「傷つけられた」という現実が同時に存在していることの苦しさです。

だからこそ、「親を嫌ってるのに、嫌いたくない」「愛されたいのに、憎んでる」といった二重の感情に挟まれ、さらに自分を責めてしまうのです。

専門家が明かす:親を嫌う感情は“防衛本能”

心理的虐待や身体的虐待、ネグレクトなどの「逆境的小児期体験(ACE)」は、子どもの心に深刻な傷を残します。
SオフィスKによれば、こうした体験は自尊感情の低下、PTSDや不安障害、気分障害などの精神的苦痛に直結しやすく、さらに「人間関係への不信感」を引き起こすとされています【出典2】。

この“人を信じられなくなる”という心の反応は、ときに親への恐怖や怒りというかたちで現れます
それは決して異常なことではなく、心が自分を守ろうとする正常な防衛反応なのです。

たとえば、「怒鳴られ続ける」「叩かれる」など、継続的なストレスがあると、子どもは本能的にこう感じるようになります:

  • 近づくとまた傷つくかもしれない
  • 信じたらまた裏切られるかもしれない

こうした反応は、「親を憎む」ように見えても、実際には“これ以上傷つかないための心のブレーキ”である場合が少なくありません。
その感情は、あなたの中の健全さがまだ残っている証拠です。

ろん太
ろん太

親を憎むというのは自分を守るための正常な防衛反応なんだね!

トラウマが引き起こす“自尊心の分裂”

虐待を受けて育った子どもが最も傷つくのは、「自分が悪かったのかもしれない」という誤解です。
暴力や暴言のなかで、「自分には愛される価値がない」と思い込んでしまう。

福島県の教育資料では、虐待を受けた子どもには以下のような傾向があるとされています:

  • 自己否定が非常に強い
  • 傷つきやすく、他者と深い関係が築けない
  • 人間不信や無力感に悩まされる【出典3】

つまり、「親を憎む自分をさらに自分が嫌ってしまう」という、非常に苦しいループに陥ってしまうのです。

ろん太
ろん太

こうなってしまうと負のループから抜け出すのが大変なんだ!

親を許せなくても、自分は救える

ここで大切なのは、「親を許すことが正解」でも「親を好きになるべき」でもない、ということです。

あなたが「親を許せない」と思うのは、“それだけ苦しんできた証拠”です。
その感情は、押し殺す必要も、無理に美化する必要もありません。

一方で、その感情にずっと飲み込まれてしまうと、自分の人生すら親の影響で閉ざされてしまう危険もあります。

大切なのは、親とは切り離して、“自分の人生”を取り戻していくことです。
誰かを許せないままでも、あなたはちゃんと幸せになっていい。
これは、あなたの「心の回復」をはばむものではありません。

ろん太
ろん太

親を許せなくてもいいんだ。その事と自分の人生を切り開いていく事は関係ないんだ!自分の人生を守っていこう!

今、あなたに届けたいこと

この文章をここまで読んでくれたあなたに、最後に一つ伝えたいことがあります。

あなたが「親を憎んでしまっている自分」を、嫌わなくていい。

その感情は、あなたの中の優しさや、本当は大切にされたかったという願いが、裏返ったものです。
だからこそ苦しいし、だからこそ正直なんです。

どうか、自分の声を否定しないでください。
あなたが抱いているその複雑な思いすべてに、「正しさ」があります。
いつかあなたが、親の影ではなく、自分の光の中で生きていける日が来るように
この記事が、その小さな一歩になりますように。

ろん太
ろん太

大丈夫。自分の人生は自分の力で明るくなっていくよ!今までつらかった分、誰よりも幸せな人生を手に入れよう!!
読んでくれてありがとう!

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参考資料

福島県教育委員会(2014)「子ども虐待と情緒行動」
 PDF資料

小児保健研究(2017)「虐待された子どもの情緒行動問題」
 全文PDF

心療内科 SオフィスK「逆境的子ども体験(ACE)とトラウマ」
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