ヒットを生むのは「才能」か「努力」か、それとも「運」か。
あらゆる業界に存在する“創造的成功”という現象。その背後には、数えきれない失敗と偶然が折り重なっている。
一発の成功で消える人と、何度もヒットを出し続ける人。その違いはどこにあるのか――。
音楽業界をベースに行われた大規模研究をもとに、「運」と「継続」がどう交差するのかを読み解く。

今回は世の中のヒットを生む人について、大規模な研究結果をもとに解明していくよ!ヒットや成功は果たして「運」なのか「才能」、「努力」なのか!?
「ヒットは狙えるのか?」という永遠の問い
バズる動画、売れた商品、大ヒットのアーティスト。
どの業界でも一発ヒットはまるで“奇跡”のように語られる。
多くの人はその背後にある努力や失敗の蓄積を見ない。
結果だけを見て「運が良かった」「タイミングが合った」と考える。
だが、それは本当に“運だけ”だったのか?
そして、その「奇跡」を繰り返せる人と、再現できない人の差は何なのか?

ヒットってどんなに才能のある人でも、プロでも、すべて狙った通りにヒットさせるなんてできない!だけど、ヒットし続ける人と一発屋で終わる人がいるのは何故なのか研究されたんだ!
大規模研究が明かした「一発屋」と「ヒットメーカー」の分岐点
2022年、米スタンフォード大学の研究者・Justin M. Bergが発表した論文では、
音楽業界における約69,000人のアーティストと300万曲を対象に、
“一発屋”と“継続的成功者”の違いを徹底的に分析した。
結果、興味深いパターンが浮かび上がった。
◆ 初期の成功は「運」による部分が大きい
- 典型的で無難な作品ほどヒットしやすい
- 「多くの人に受け入れられやすい=拡散しやすい」
◆ しかし、継続的成功は「多様性と独創性」で決まる
- 過去のポートフォリオ(作品群)が多様で新規性が高いほど、その後もヒットを生む確率が高い
- 継続的にヒットを出す人は、「奇跡が起きる確率を高める」動き方をしている

初期ヒットはどうやら”運”の要素が強いみたいなんだ!
だけど、その後の継続的な成功はその人自身の成功確率を高める努力が関係しているみたい!
「運を引き寄せる人」の行動パターン
一発ヒットは確かに運かもしれない。
しかし、それが「何度も」起きているなら、それは戦略である。
研究では、継続的成功者には次のような共通点が見られた:
- ヒット後も試行を止めない
→ 売れた作品に安住せず、常に次を模索している - 作品の多様性が高い
→ 同じジャンルやフォーマットに縛られず、“刺さる可能性”を広げている - 自己模倣に陥らない
→ 一発当てたフォーマットを使い回すのではなく、あくまで更新し続ける

過去の成功にいつまでも、しがみ付かないで新しい可能性を模索し続けているんだ!
「一発屋」になる人の典型パターン
一方で、「一発屋」に終わってしまう人の特徴も明らかになった:
- 成功体験に固執して、変化を避ける
- 初ヒットを“ゴール”と捉え、それ以上を模索しない
- 世間の期待に応えることに注力しすぎて、自らの創造性を閉じてしまう

最初のヒットで満足してしまって、その後の変化や進化をしようとしなかったんだね!

どんな分野にも通じる「創造的成功のメカニズム」
この研究は音楽業界を対象としたものだが、その構造はあらゆる創造的分野に通じる。
- YouTubeやTikTokのインフルエンサー
- 製品開発やマーケター
- 小説家、漫画家、起業家、研究者
- はてはプロ雀士やエンタメ業界まで
ヒットは“運”のように見えるが、その裏に「何度も舞台に立つ力」と「柔軟な挑戦」が存在する。
言い換えれば、「運に遭遇するまで諦めない人」こそが、運をものにできる人なのだ。

確かに世の中”運”の要素は大きい!
でもこの研究で分かったことは、運を引き寄せる人は幸運が来るまで何度も諦めなかった人達だってこと!
【まとめ】“当たる”ことは選べない。でも“当たるまでやる”ことはできる。
運は制御できない。けれど、運が作用する瞬間にそこに居続けることはできる。
そしてそれができるのは、日々試行し続ける人、失敗しても変化し続ける人だ。
ヒットは奇跡ではない。
「再現できないものを再現しようとし続ける人」こそが、ヒットメーカーと呼ばれるのだ。

みんなも日々試行錯誤を繰り返して、運を引き寄せよう!
読んでくれてありがとう!
参考論文
Berg, J. M. (2022). One-hit Wonders Versus Hit Makers: Sustaining Success in Creative Industries.
Administrative Science Quarterly.
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