はじめに:「“自分を好きになる”って難しい」
「なんで私はこんなにダメなんだろう」
「もっと自信を持てたら、人生は変わるのに」
そんなふうに、自分を責めたり、比べて落ち込んだりすることってありませんか?
自己肯定感の低さは、多くの人が抱える“こころの根っこ”の課題です。
とくに、LGBTQ+の若者たちは、社会からの偏見や無理解の影響を受けやすく、
自尊心や自己評価が揺らぎやすい傾向にあることが、数々の研究で報告されています。
そんな中で発表されたのが、英国キングス・カレッジ・ロンドンの研究チームによる論文。
彼らは、性的マイノリティの若者向けに「思いやり(コンパッション)」をベースとした新しい心理療法を開発し、実際に自己肯定感の向上に大きな効果があることを明らかにしました。

思いやりから始める心理療法で自己肯定感を育むことができるんだって!
詳しく見てみよう!
科学が示す「自己肯定感」の育て方とは?
自己肯定感とは、自分の価値や存在を前向きに評価する「こころの土台」です。
これが低いと、ちょっとしたことで傷ついたり、人と比べて自己否定に陥ったりします。
この研究で使われたアプローチは「CBT(認知行動療法)」に「CFT(コンパッション・フォーカスト・セラピー)」を組み合わせたもの。
特徴は、「自分への思いやり(=セルフ・コンパッション)」を育てる点にあります。
調査では、6回のセッション後に、95%の参加者の自己肯定感が向上。
うつ症状や不安感も大幅に軽減されました。
中でも、“自己批判の減少”と“自己思いやりの増加”が、自己肯定感の改善に強く関係していました。

95%の参加者の自己肯定感が向上ってすごい効果だね!
自己肯定感を育てる“6つの心理ワーク”
このセラピーで用いられた中から、家庭でも取り組める心理ワークを6つ紹介します。
① 自己批判に気づくワーク
📌方法:
「自分が自分を責めるときに使っている言葉」を書き出してみます。
📈効果:
無意識だった“こころの暴言”に気づくことで、距離を取れるようになります。
② 思いやりの声に変えるワーク
📌方法:
①で書き出した言葉を、「大切な友達が同じことで悩んでいたら、どんな声をかけるか」で言い換えます。
📈効果:
自分に対する“内なる対話”がやさしくなり、落ち込みやすさが軽減します。
③ セルフコンパッション日記
📌方法:
1日を振り返って、「自分をいたわることができた場面」「自分に優しくした瞬間」を3つ書く。
📈効果:
“やさしさの視点”が習慣化され、自分への接し方がポジティブに変化していきます。
④ トリガーと対処の地図を描く
📌方法:
「自己肯定感が下がった場面」と、その時の思考・感情・行動を記録し、どう対処したかを地図のように描く。
📈効果:
パターンを可視化することで、「何に影響を受けやすいか」がわかり、対処力が向上します。
⑤ セクシュアリティへの自己受容
📌方法:
「私は誰で、どんなふうに自分を表現したいか」を自由に書く(他人に見せない手紙形式でもOK)
📈効果:
LGBTQ+当事者にとっては、“あるがまま”の自分を受け入れるプロセスが大きな癒しになります。
⑥ 自分の強み・価値の棚卸し
📌方法:
「自分の好きなところ・得意なこと・大切にしている価値観」を10個書き出す。
📈効果:
「できないこと」ばかりに意識が向く状態から、自分の“光の部分”に目が向くようになります。

無意識に自分を責めちゃってた”癖に気づく”って事が大事なんだね!
実際にやってみた人の声(研究より)
「初めて、自分にやさしくしてもいいんだと思えた」
「“自分を好きになる”のって、特別なことじゃなくて“練習”なんだなと思いました」
「性的マイノリティとしての経験が、話していいものだと感じられて救われました」
このように、参加者の多く「“やさしさ”への許可」を得たことで、心の回復が始まりました。

自己肯定感が低い原因は自分で自分の事を責めてしまう事にあったんだね!
自分に”優しくして良い”って事に気づけたのは大きなきっかけだったと思う!
おわりに:「“やさしさ”は習慣になる」
自己肯定感は、天性の才能ではありません。
日々の心の使い方で、じっくりと育てていく“心の筋力”のようなものです。
自分を傷つける言葉ではなく、
「大丈夫、今日もよくがんばったね」と声をかけられる自分でいること。
それが、誰よりも確かな“自分を好きになる方法”です。

自己肯定感は誰でも”育む”事ができるんだ!
皆も今日から自分に優しくなって、自分を好きになっていこう!
読んでくれてありがとう!
最後に一言
「自分を責めてしまう」あなたへ。
今日、ひとつだけ“自分にやさしくできること”をしてみませんか?
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参考文献
Bridge, L. et al. (2023). Acceptability, feasibility and preliminary efficacy of a compassion‐based cognitive behavioural intervention for low self‐esteem in sexual minority young adults. Clinical Psychology & Psychotherapy.
論文元URL
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