「うつ病でも働ける?」――就労と回復のあいだで揺れるあなたへ

壁にもたれ膝を抱えてうつむく男性。「うつ病でも働ける?――就労と回復のあいだで揺れるあなたへ」の文字が重ねられている メンタル・性格

「働かなきゃ生きていけない。でも、心も体も動かない」
そんなふうに感じたことはありませんか?

うつ病や不安障害、強いストレスによって一時的に働けなくなることは、誰にでも起こりうることです。でも、その後「本当にまた働けるのか?」という不安が押し寄せる。この記事では、2023年に発表された国際的な研究をもとに、うつ病で休職した人がどのようにして職場復帰を果たしているのかを解説します。

うつ病で“働くこと”は不可能じゃない

この研究では、うつ病や不安障害などによって休職している人々を対象に、職場復帰の可能性を左右する要因が分析されました。

結果は明るいものです。多くの人が、症状が軽快した後に段階的な復職を実現しています。ただし、単純に「治ったから働けた」わけではありません。復職に成功した人たちは、いくつかの共通点を持っていました。

復職できた人に共通する“3つの要素”

① 自己効力感が高い
「自分はまた働ける」という感覚(=自己効力感)が強い人ほど、復職の可能性が高いことがわかっています。これは“やる気”や“根性”とは異なり、「少しずつならやれるかもしれない」という前向きな自己評価です。

② 職場のサポートがある
上司や同僚の理解、復職後の勤務調整など、職場からの支援があると、復職の成功率が高まります。逆に、プレッシャーや冷たい視線があると、症状が悪化し再発のリスクが増します。

③ 段階的な働き方をしている
いきなりフルタイムで復帰するのではなく、短時間勤務や在宅ワークなど柔軟な形で始めた人の方が、長期的に安定して働き続ける傾向がありました。

ろん太
ろん太

この3つの要素が満たされていた人は復職率が高かったんだ!

復職できなかった人に見られる課題

一方で、復職に至らなかった人たちの共通点も明らかになっています。

  • 症状が完全に落ち着く前に焦って復帰し、再発してしまった
  • 「生活費がない」「迷惑をかけられない」という焦燥感から、無理に働こうとして悪化した
  • 職場に相談できる人がいなかった、または制度の支援を受けられなかった

つまり、症状の重さ以上に「社会的サポートの不足」が、復帰の妨げになっているのです。

ろん太
ろん太

無理をしても余計悪化しちゃうんだね!

じゃあ、どうすれば働けるようになるの?

まず大事なのは、「自分ひとりでなんとかしようとしないこと」です。回復の途中で「働かなきゃ」と思うことは自然ですが、それは焦りを呼び、再発のリスクにもなります。

以下のようなアプローチが推奨されています:

・福祉制度(傷病手当金、生活保護など)を一時的に活用することも“生き延びる選択”

・小さな達成体験を積み重ねて、自己効力感を育てる

・医師や就労支援の専門家に相談する(リワーク支援など)

・短時間から始める、無理しない働き方を選ぶ

あなたに知っておいてほしいこと

「今の自分は働けない」ことを受け入れるのは、とても勇気のいることです。
でも、それは“負け”ではありません。むしろ、回復と人生の再構築の第一歩です。

あなたの状態は、あなたのせいではありません。
今はただ、生き延びること、それだけで十分です。
焦らなくていい。
無理しなくていい。
働けるようになる日は、ゆっくりやってきます。

ろん太
ろん太

時間はかかるかもしれないけど、回復する時は必ず来るよ!自分のペースでゆっくりいこう!
読んでくれてありがとう!

引用元

Koolhaas W, Brouwer S, Brouwers E, et al. (2023). Predictors of return to work for people on sick leave with depression, anxiety and stress. International Archives of Occupational and Environmental Health.
論文リンク

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